目 次

ボケについて(1)

ボケについて(2)

ボケについて(3)

露出

日の丸構図

黄金分割

写真は「引き算」

フォーマット

魔の15分の1秒

被写界深度

回折現象

◎2010年9月更新

 
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写真は「引き算」

引き算ができなと上手くなれない!

広大な風景からどの部分を切り取るかは主題によって決まります。その主題を際立たせるために不必要な部分は構図から省きます。そのために各種の長さの異なるレンズが必要なのです。ズームレンズもこのために存在します。

写真撮影を趣味としていない人が山を写すと必ず空の部分の面積が多くなります。概ね2分の1~3分の1くらいはあるでしょう。なぜかそうなるのです。

山の写真に限らず,傾向としては,「あれもこれも」入れた構図になるものです。こうなると何が主題か分からなくなります。

そこで撮影者が「引き算」を行う必要が生じるわけです。この点において撮影者の写真センスが試されることになります。

雲海のサンプル画像

普通の山の写真と谷間に霧が発生して雲海になっている写真とどちらが印象的かというと通常は後者でしょう。

なぜでしょうか?

もちろん,雲海そのものが躍動感ある自然現象であるからというのも理由ですが,雲海によって写って欲しくないものが消え,山のピーク部分だけが見えているから,高さと広大さをより感じるという理由もあるでしょう。

あるいは,森の中で霧が発生し,その結果,1本の木が浮き出し「絵」になるようなこともあります。

いずれの場合も,何でもない風景が霧や雲海によってフォトジェニックな被写体に変身した例です。

つまり,霧や雲海という自然現象が「引き算」をやってくれ,結果的に主題が明確になります。

 

視点を変えて,ポートレートや花のアップ写真を考えて見ましょう。

花の撮影例

共通して言えるのは,通常は「背景を大きくぼかす」撮影方法を選択する,ということです。背景をぼかすことで主題を浮き出させるのです。ボケが綺麗なレンズを選ぶとさらに効果的です。

これは絞りの効果によって「引き算」を行って主題を目立たせている例です。

この「引き算」,理屈では理解できても実際にやってみると難しい場合があります。

特に構図における「引き算」はかなり難しいと思います。普通は,「引き算」をやり過ぎるという失敗は稀でしょう。つい欲張って絞りきれないのが私のような凡人の常だからです。

デジタルカメラを使っての撮影で少し雑になっている自分を戒めるために書きました。

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