目 次

ボケについて(1)

ボケについて(2)

ボケについて(3)

露出

日の丸構図

黄金分割

写真は「引き算」

フォーマット

魔の15分の1秒

被写界深度

回折現象

◎2010年9月更新

 
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『被写界深度』について

被写界深度(目盛)

「AF+ズームレンズ」全盛となってからは,「被写界深度(目盛り)」という言葉は“死語”に等しい存在になっているような印象があります。

今回はこの『被写界深度(目盛り)』に光を当てましょう。

被写界深度目盛りサンプル画像

そもそも『被写界深度』とは何でしょうか。

一般には次のように説明されています。

被写界深度(ひしゃかいしんど)とは,写真技術においてピントが合っているように見える領域のこと。理想的な写真用レンズにおいては,ある一つの設定で厳密な意味でピントが合っている場所は,一つの平面上にしかないが,その前後にも十分にはっきりと像を結んでいるように見える範囲があり,その範囲のことを被写界深度と呼んでいる。被写界深度は,ピントが厳密に合っている場所の前後に広がるが,その広がりは撮影者から見て手前側よりも奥側のほうが広い。【出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】

上記に付け加えると,レンズが広角になるほどその深度は深くなります。つまり,前後のより広範囲にピントが合うようになります。

昔,スナップ写真が全盛の頃は,この分野の写真家は広角レンズの深い被写界深度を利用して---つまり,ファインダーをのぞいてピント合わせをするなどと悠長なことはしないで---一瞬のシャッターチャンスをものにしていました。

反対に,望遠レンズでは深度が浅くなるのでファインダー上での正確なピント合わせが必須です。

マニュアル・フォーカス(MF)時代の全ての単焦点レンズ,そしておそらく広角・標準系のズームレンズの一部にも,上の写真のように『被写界深度』を表す「目印」が付いていました。

MFの時代は,ピントを深くしたい(例えば,手前の花から遠方の山までピントを合わせてたい)場合は,この「目盛り」を参考にするのが普通でした。

上の画像(35mm一眼レフ用35mm広角レンズ)の例で理屈を簡単に説明しましょう。

「絞り」を【F8.0】に設定して,5メートルのところにピントを合わせると,概ね2m~∞(無限遠)までピントが合っているように見えることを意味しています。

ちなみに,私は風景撮影に使うレンズには最もよく使うF値とピント位置数字の組み合わせを赤色で塗って,使い勝手を良くしています。ついでながら,無限遠は余裕を持たせるために,このレンズの場合では【F5.6】で深度内に入るようにしています。大伸ばしにした際に,山のラインが微妙にピントが甘いのが嫌いなためです。

手前の対象にもっと余裕を持たせたい場合は,距離目盛で調整するか,絞りをF11に設定して撮影します。標準絞りをF8に設定しているのは『回折現象』の影響を避けるためです。

被写界深度目盛りを利用した撮影の利点は,撮影時点でピントが合っている範囲を視覚的に,そして理論的に確認できるので安心してシャッターを切れることです。

しかし,AFカメラで自然風景をAF撮影している写真家はどうしているのだろうかといつも疑問に思っています。そういう写真家によく山で会うからです。

まして,「被写界深度目盛り」が付いていないレンズの場合はパンフォーカス(近距離から無限遠までピントを合わせること)にしたい場合に確実な方法があるのだろうか,と他人事ながら心配します。「ピントの合う範囲」を本当にどのように“計算”して撮影しているのでしょうか。

思い付くのは古典的な方法です。

目測でパンフォーカスにする方法としては,パンフォーカスにしたい奥行きの手前3分の1の所にピントを合わせて絞りを,使用レンズによっても異なりますが,F11~22まで絞って撮影します。

概ねこのような方法を実践しているのでしょうね。

そう言えば,私のデジタル一眼レフ用のレンズも,ズームには「目盛り」は付いてないし,単焦点広角レンズも申し訳程度にしか付いていません。実際,デジタル機材を使うようになって私自身困ってしまし,無意識のうちに古典的な方法を用いていると思います。

フルサイズのデジタル一眼レフカメラを使うようになれば,被写界深度目盛の付いた単焦点レンズを使いたいとかねてから考えています。

補足:

現在はどうか分かりませんが,以前はメーカーにお願いするとレンズの被写界深度データを入手できました。特に中判カメラ用のズームレンズでは,その深度表がとても役に立ちました。

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