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愛用の中判フィルムカメラ機材…645判(セミ判)
ペンタックス645初代
■HASSELBLAD 503CX (1988年~1994年発売)
Pentax 645 の仕様 | ||
---|---|---|
形式 |
セミ判(6×4.5cm判)一眼レフカメラ マルチモードTTL自動露出 ※マニュアル撮影可 |
|
使用フィルム | 120(15枚)/220(30枚) | |
レンズ | SMCペンタックス・Aの各レンズ使用 | |
シャッター | 電子制御式フォーカルプレンシャッター B・15秒~1/1000秒 電磁レリーズ式 |
|
ファインダー | ケプラーテレスコープ式ファインダー 視野率 縦92%・横93% |
|
露出制御 | TTL中央重点全面測光方式 露出補正 +3~-3段階 | |
その他 | 120・220専用フィルムバック交換式 自動フィルム巻上げ/視度補正機能付 |
|
重量・サイズ | 1320g/W147×H109×D117mm |
◎PENTAX 645 の概要
私が使っているこのカメラは,PENTAX 645→PENTAX 645N→PENTAX 645NⅡと世代交代しているシリーズの初代です。自分で購入したものではなく,岳父からレンズ3本付きで譲り受けたものです。有効活用するために必要に応じてレンズを買い足し,今では「マイシステム」として35mm~150mmまで6本揃っています。
この初代は,露出はオートで制御する仕様になっていますがピント合わせはマニュアル操作です。山岳写真を中心に撮る私にとって,AFは必要性を感じないどころか「有難迷惑」でさえあるので,この点は何の問題もありません。このカメラを使う際にはスポットメーターも併用しますから,通常はオート露出も基本的には必要ありません。
ただし,日の出前後や日没前後の瞬間瞬間に光量が増減するような状況では,スポットメーターで補正値を決定した上で,オートで撮影することが多いです。言い換えると,そういう撮り方に適しているカメラと言えるでしょう。
主な長所として次のようなことが挙げられるでしょう。
- 全645判一眼レフカメラ(標準セット)の中で最軽量である。
- 各レンズが比較的軽い。
- システムとして充実度が高い。
その一方で,欠点として個人的に感じるのは次のような点です。
- 私が使っている一眼レフ機材の中では一番ゴースト・フレアに弱い。
- ミラーショックが大きいにも関わらず「ミラーアップ機能」がない。
- 露出補正値が1/2EV段階や1/3EV段階がなく1EV段階でしかできない。
欠点(1)は,古くからの写真屋さんたちのペンタックスのスーパーマルチコーティング(SMC)に対する評価は高いようですが,私の経験では「ゴーストが出るな」と思ったときはほぼ100%出ます。一時は逆光以外の条件の時に使用していたほどです。
欠点(2)は,シャッター速度によっては細かなブレとなって表れます。あくまで私の経験においてですが,雲台も含めて2~3kgクラスの三脚ではまず防げませんが,4kg以上の三脚を使うとこの問題は解消されます。
欠点(3)は,メーカーにおいて自動巻上げの「C・S切り替えダイヤル」を1/2EV段階の露出補正ダイアルに交換するという改良を施してもらうことで解消されました。私はこの改良後から大切な場面でもオート露出を使うようになりました。
ところで,このカメラは本シリーズの初代であり1984年に発売開始されましたが,1997年に世代交代をしてAFに変身したPENTAX 645Nが,そして早くも2001年にはその後継機PENTAX 645NⅡが発売され現在に至っています。
最近,石鎚山系で中判を使っている写真家に出会うとまずほとんどの人が現行機種のPENTAX 645NⅡの使用者です。次に多いのがPENTAX 645N,その次にくるのがPENTAX 67です。初代を使っている人に出会ったことはありません。
これらの機種で石鎚山系における中判カメラの占有率は間違いなく90%以上になるでしょう。他メーカーになると例外的な存在でしかありません。
この圧倒的な占有率には本当に驚きますが,中判一眼レフとしては他に類を見ないほど十分にシステムが整っているのが最大の理由だろうと容易に想像されます。例えばレンズは,単焦点レンズに加えてズームレンズが何と5本も用意されているのです。これならレンズの選択肢に不満は感じないでしょう。実際,石鎚山系で見かける本645判シリーズの使用者のほとんどがズームレンズを装着しています。
このように書くと中判カメラそのものがかなり売れているような印象を持つかもしれませんが,中判カメラ市場は公式発表では,2005年の販売台数は2000年の約10分の1になっており大変な落ち込みで深刻な状況です。(その対極にあるのがデジタル一眼レフだというのは想像に難くないでしょう。)こういう状況の中で,中判カメラメーカーの『体力(耐力)』が持たずにこの分野から撤退という事態がすでに表れていますが,これが加速すると中判カメラファンにとって寂しいことになってしまいます。孤軍奮闘の感があるペンタックスにはエールを送りたいと思います。(2005年12月の記述)
ちなみに,最新機種のPENTAX NⅡは上記に私が欠点としてあげた(2)(3)をクリアしています。加えて,測光方式が複数ありスポット測光も選択できるのは羨ましいです。
ついでながら,データの「画面外写し込み」もできますので,露出やレンズ選択の勉強にも役に立つでしょう。
最新のFAレンズは使ったことがないので欠点(1)がどうなったのか興味のあるところです。
参考:645判レンズの焦点距離×約0.6倍=35mm判のレンズの焦点距離
■SMCペンタックス-A 645 35mm F3.5 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
0.3 |
|
最小絞(F) | 22 | |
全長(m) | 80x67 | |
重量(g) | 470 | |
フィルター(mm) | 77 |
■SMCペンタックス-A 645 45mm F2.8 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
0.45 |
|
最小絞(F) | 22 | |
全長(m) | 74x66.5 | |
重量(g) | 400 | |
フィルター(mm) | 67 |
■SMCペンタックス-A 645 55mm F2.8 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
0.45 |
|
最小絞(F) | 22 | |
全長(m) | 70x60.5 | |
重量(g) | 410 | |
フィルター(mm) | 58 |
■SMCペンタックス-A 645 75mm F2.8 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
0.6 |
|
最小絞(F) | 22 | |
全長(m) | 74x37.5 | |
重量(g) | 240 | |
フィルター(mm) | 58 |
■SMCペンタックス-A 645 120mm F4 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
0.39 |
|
最小絞(F) | 32 | |
全長(m) | 78.5x110 | |
重量(g) | 695 | |
フィルター(mm) | 67 |
■SMCペンタックス-A 645 150mm F3.5 | ||
---|---|---|
最短撮影距離(m) |
1.4 |
|
最小絞(F) | 32 | |
全長(m) | 74x71.5 | |
重量(g) | 435 | |
フィルター(mm) | 58 |