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◎2010年9月更新

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石鎚山系の四季

石鎚山の春石鎚中腹以上の春は下界より2ヶ月以上も遅れて訪れます。4月の声を聞いても登山道にはまだ残雪が残り,頂上直下の北面は5月の連休の頃になっても雪田が残る年もあります。

5月の連休前後の頃になって石楠花とともにアケボノツツジが中腹に咲ブナの新緑き始めてやっと春の訪れを感じます。アケボノツツジが終わると様々な木々が一気に芽吹き、新緑の季節となります。新緑と同時にミツバツツジがあちらこちらに咲き始めます。この頃が春のもっとも美しい時期でしょう。

「新緑前線」が一日々標高を上げ約1ヶ月かかって頂上に達します。この頃、中腹の木々は新緑から深緑に変わろうとしているところです。春先にはまだ歌い慣れていなかったウグイスも鳴き方がかなり上手になっていることでしょう。

石鎚山の夏梅雨が明けると一気に夏の様相を呈します。完全に深緑となり本格的に夏山シーズンの到来です。ブナ林の森林浴を楽しみながら標高をかせぎただ黙々夏のブロッケン現象と足を運びます。登山道の所々に風の通り道があり,その場所に着くと決まって涼風が流れています。

ベンチで休んでいる時にそよ風が吹き抜けてくるといつまでもその中に身を置いていたくなります。汗を拭きながら風の心地よさを全身で感じるこの時が登山の至福のひとときかも知れません。

可憐な高山性の花々が咲き誇るのもこの時期です。また、野鳥のさえずりも疲れた身体に一服の清涼剤となってくれます。ウグイスのさえずりは裏参道の登山口の土小屋,あるいは表参道にある中腹の成就社から頂上近くまで楽しめるでしょう。

石鎚山の秋春とは逆に山の秋の訪れは急ぎ足です。8月の末頃になると青空の色が少し夏の青とは違って見えます。9月になってしばらくするといつの間にか足元に咲いているのは秋の花になっています。リンドウ・アサマリンドウ・イカリソウ・センブリなどが登山者の目を楽しませてくれます。

9月も下旬に近づくと天狗岳山頂付近が少しずつ色づき始め,早い年で9月の最石鎚山北壁の紅葉終週,平均的には10月第1週,遅い年で10月10日頃に紅葉の盛りを迎えます。主役はドウダンツツジの紅です。早い年にはこの時期に霧氷が見られることがあります。山頂付近が紅葉の盛りの頃と文化の日前後までの週末は,県内外からアマチュアカメラマンや登山者が押し寄せ,弥山頂上は腰を下ろす場所もないほどの混雑振りになります。

紅葉前線はこの後気温の低下とともに下山を始め中腹を彩り登山者の疲れた身体を癒してくれます。10月下旬頃から霧氷が見られるようになり11月初旬には初雪を観測できるかも知れません。

補足:
1980年代は10月の間に何度か霧氷を観測できました。9月の末に出会ったこともありました。しかもかなり本格的な霧氷がついたものです。成就社コースのほぼ中間地点に位置する「前社が森」付近でもりっぱな霧氷を観測できた時もありました。しかし,最近は温暖化の影響でしょうか,小規模な霧氷でも早くても10月下旬まで待たなくてはならなくなっているのが実情です。したがって,これからは10月中に霧氷に出会えたら幸運と言えるでしょう。

石鎚山の冬初雪・初冠雪を観測できるのは昔は11月初旬でしたが,最近では12月になってからがほとんどです。本格的な積雪もまた温暖化の影響で,やはり12月末になります。年により積雪の量はまちまちですが,二の鎖元にある鳥居の上部が1mほどしか見えていなかったことがあります。2月初旬のことでしたが,感覚的には「またいで歩ける」ほどでした。

積雪がたいしてないときでも高山の冬を侮るのは禁物です。厳冬の天狗岳特に二の鎖小屋から頂上までの巻き道(迂回路)は硬く凍っているからです。頂上小屋の建て替えと並行して巻き道が整備されたとは言え,冬山はそれなりの体力と技術および装備を持った人だけに許される世界です。

一方,石鎚の冬を気楽に楽しもうと思えば,ロープウェーを利用して成就社に行くのがよいでしょう。スキー場があり,スキーにスノボーを楽しむことができます。また,この辺りなら木々に咲いた氷の華―霧氷―も簡単に目にすることができます。林の中に一歩足を踏み入れれば,スキー場の喧噪とはうって変わって,静寂の世界が待っています。

早春の芽吹きが待ち遠しく感じられる時期ですが,長い冬があるからこその春の喜びなのでしょう。

If winter comes, can spring be far behind?
(冬来たりなば春遠からじ:シェリーの「西風に寄せる頌歌」)

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