■スリル満点の鎖場
石鎚山には全部で4箇所の鎖場があります。18世紀にはすでに掛け替えがなされた記録があるそうですからそれ以前からこの鎖は存在していたことになります。ですが,昔はともかく現在は,日本アルプスなどの鎖場とは異なり,「難所」だから鎖を付けたのではなくあくまでも“行場”として存在すると考えた方が実情に合っています。
したがって,鎖場が苦手な人は4箇所全ての鎖場に迂回路(巻き道)がありますから,それを利用することができます。鎖場が苦手でなければどちらを利用しても頂上までの所要時間は大差ありません。
また,鎖の大きさがアルプスで経験するものとはまったく異なります。とにかく大きいです。正確なことは分かりかねますが,規模としては日本屈指ではないかと思います。一般に鎖は基本的に三点支持の補助ですが,石鎚の鎖場は鎖そのものを登っていくという感があります。足場が無いところでは鎖が唯一の「頼りの鎖」になります。
スリルを味わいたい人にはたまらないかも知れません。(^^)v
◎試しの鎖
前社ヶ森の売店(ハイシーズン以外はほとんど閉店)少し手前に『試しの鎖』があり,上り48m,下り19mの行場となっています。「試し」という言葉に安心してはいけません。ここは登ったら降りないといけないのですが,降りるときが結構スリルがあります。この鎖を怖いと思わなければどの鎖も大丈夫だと思います。
(←写真は降りる方の鎖)
◎ 一の鎖
夜明峠と二の鎖小屋の中間点に位置し,33mの長さがあります。ここだけは「三点支持の補助」的に使うことができます。せっかく石鎚に来たのだから「話のタネ」に,と思うのなら,『一の鎖』がオススメです。短くて傾斜もきつくありませんから楽々です。
◎ 二の鎖
二の鎖小屋の鳥居の奥から岩場に取り付くようにあります。全長65mです。
◎ 三の鎖
三の鎖小屋横から取り付きます。全長68mあります。三の鎖を登りきったところに頂上社と頂上山荘があります。