秘境 乗鞍山麓五色ヶ原…池巡りコース 2005年10月18日

池巡りコースの概略
このコースの特徴は,乗鞍岳西側中腹の緩やかな斜面に展開する多数の池と滝,湿原,亜高山針葉樹林と夏緑広葉樹林の色分けがはっきりした森林など,バラエティーに富んだ自然を巡るところにあります。

このコースの標高は,起点の出合い小屋が約1400m,最高点が岩井谷林道のシラベ沢口で約1640mあります。危険箇所は滝周辺を除いてほとんどありませんが,足場の不安定な箇所は随所にありますから,気をつけてください。(参加者に配布された小冊子より引用)

岳父のリタイアにより,今日のコースは家内と私が他のグループに参加することになった。そのために,集合時間が7時半と早まった。これで,ホテルと朝食のことで交渉しやすくなった。事情を話すと7時に「朝弁当」を用意してくれることになった。私たちはこのホテルが総合的にとても気に入っているので,朝食の時間のことで嫌な印象を持ちたくなかった。それゆえ,率直にうれしかった。これでまた今後もこのホテルを利用するだろう。(^^)v

岳父に車で案内センターまで送ってもらう。もうみんな着いていて何やら慌しい。登山靴に履き替えスパッツを着ける。すぐさま受付を済ませてバスに乗り込む。慌しいこと。(^_^;)

本日のコースは昨日のコースの終点である出合いの小屋が出発点となる。そこまではバスで移動だ。45分ほどかかるらしい。実は,私は乗り物酔いしやすい体質だ。まして,無舗装の林道を走るのだ。これが一番心配だった。揺れること,揺れること…,右に左に上に下によく揺れる。(-_-;)

不思議に酔うこともなく無事出合い小屋に到着。水場はあるだろうが,念のためにペットボトルに1本だけここで水を補給しておく。

本日のコースは「アップダウンもほとんどなく平坦な…」と何度となく複数のガイドさんから聞いていた。素直な私たちはそう信じていたのだが…。

事前にお知らせしておこう。本日の「池巡りコース」に池はない。(@_@) 正確に言うと,池はあるのだが「水」がないのだ。これは雨不足のためではなく,地元の人や専門家にもよく分かっていないらしいが,水が溢れんばかりの年もあれば涸れる年もあるそうだ。今年は標高の低い所にある池が涸れていて高いところにある池は涸れていないとのことだ。

では,いざ出発!(^.^)v
   

(1)出合い小屋

標高1.410m。

池巡りコースはここが起点となる。

今日の案内人さんは男性。声がよく発音明瞭。家内は声の良い男性に弱いのでニコニコしている。(-_-;)

地元の訛りがないと思ったら,詳細は伏せるが,移住者だった。

  

(2)出合い小屋

先行グループが出発間近。

我々が最終組らしい。メンバーは和歌山の中高年ご夫婦,多摩からの若いご夫婦,雑誌記者,そして私たち夫婦,の計7人だ。

20代,30代,40代,50代と揃えたような感じの年齢層だ。

 

(3)入山口

こちらの看板には黄色のペイントで「五色ヶ原」と書いてある。

 

(4)横手沢

歩き始めは予定通り水平移動。

昨日のコースの終わりごろにもこの沢が見えた。

 

(5)シラタマノキ

別名を「シロモノ」という。我々の知る「アカモノ」の仲間らしい。

見るのも聞くのも初めての木の花だ。それもそのはず,本州中部以北と伯耆大山などの高山〜亜高山帯に分布しているが,四国は分布域に入っていないのだ。

花期を過ぎているが少しだけ残っていてくれた。(^.^)v

 

(6)ヒロハツリバナ

この花はあちこちにあり楽しませてくれた。

 

(7)沢上(そうれ)谷

一度この谷に下りてから急なジグザグ道を登り返す。つまり,いきなりの急登だ。予想外だった。(^_^;)

もっと予想外だったのは,案内人さんの歩行速度が速いこと!この速度でいつまで歩くのだろう。私はいつまで持ち堪えるのだろう?(^_^;)

私は急登は努めてゆっくりと歩くことにしているのでこれには閉口した。みんなついてこられるのかと心配して何度となく振り返ったが,間隔が開くことなく歩いている。(@_@)

みなさん音をあげないので私も服従して黙々と歩く。(^_^;)

 

(8)ジグザグ道を終えて

さらに登りは続く。

案内人さんは急登を水平路を歩くのと変わらない速度で歩いた。ジグザグ道を終えてもその速度は変わらない。(^_^;)

 

(9)案内人さん

針葉樹林帯の中で案内人さんの説明を聞く。

口調,物腰とも紳士然とした案内人さんだった。

私は説明を聞いているふりをして呼吸を整えた。(^_^;)

 

(10)窓木(まどぎ)

地元の人はこういう輪状になった木を「まどぎ」と呼ぶそうだ。そして,神が宿る木として大切にするという。「まどぎ」はおそらく「窓木」と書くのだろう。

輪の中に人が見えるようにして写した写真が観光写真で有名らしい。我々もそれも真似て記念写真を写す。

別角度からの拡大写真を見るには左の画像をクリック

 

(11)コメツガ林

このコースにはこのような「プチ日本庭園」が点在している。

前日の案内人さんが「明日のコースは日本庭園の中を歩きますよ」と言っていたが,このことのようだ。

この前後のどちらかで「雌池」を訪れたが水がなかった。それに驚いて写真を撮りそこねた。(;_;)

 

(12)リスの晩餐の跡

木の切り株を食卓に使っている。中華料理に出てくる「松の実」を食べたのだ。

 

 

(13)オブジェ

前日のコースではマンモス,今日はカモシカ。カモシカに見えるかな?

 

(14)日本庭園

こういう苔むした雰囲気は私好みだ。時間にゆとりがあれば中判のカメラで精密描写したいような風景があちこちにある。

倒木や倒木株の上で針葉樹の次の世代が育っている様子もあちこちで観察できる。

 

(15)沢上谷

再び沢上谷に戻る。

結構えげつない下りだった。(^_^;)

 

(16)無名滝

沢上谷の流れが見えてくるとすぐに対岸の崖から伏流水が吹き出している光景が目に入る。これはこれで滝だ。

100年ほど前に降った雪が地中を通って吹き出しているそうだが,どうやってそれを計算したのだろう…。

案内人さんがこの滝には名前がないというので,私は「無名滝」と名付けてあげた。「伏流滝」の方がよかっただろうか。いずれにしても安易な命名であるには違いない。(^^ゞ

 

(17)「無名滝」前の流れ

落葉が岩肌について風情がある。おそらくは日本人にしか分からない「侘・寂」だね。

 

(18)小休止

ここで休憩している先行グループに追いついた。適当な間隔を開けるためにも我々もここで小休止。

各グループ間は適当な間隔を開けることになっているのだ。

この先行グループはバスの中からとにかく,うるさい・やかましい・けたたましい,の三重苦だ。私のもっとも苦手な集団だ。(-_-;)

 

(19)木洩れ日

う〜〜ん,風情があるね〜。(^.^)

 

(20)倒木更新

苔むした倒木や株跡などの上で実生から発芽した次の世代が育っている。詳細は省くが,これを「倒木更新」というらしい。

まるで野外授業だが学校の勉強より楽しかった。(^.^)

 

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