石鎚自然写真館『撮影紀行』 ― 2009年 ―

『石鎚山』撮影山行レポート 2009年 5月 20日  2/2

レポート画像21(21)アケボノツツジ

一部に日が当たりコントラストの強い条件ですが,RAWからの現像段階で補正しています。

  

 


レポート画像22(22)二の鎖小屋直下の鳥居

ここが土小屋コースと成就コースの合流点になっています。

下山時にコースを間違う人が多いので注意書きが増えました。

  

 


レポート画像23(23)北壁

ピンク色の花はアケボノツツジです。

  

 


レポート画像24(24)石鎚山天狗岳  

午前11時5分,到着。

弥山頂上からの定番風景です。4月末の寒波で心配しましたが,今年のアケボノツツジは例年以上に良い状態ではないでしょうか。

昔は6月1日前後にこういう状態になったのですが,最近は早いと20日頃です。これも温暖化の影響でしょうか。

  

 


レポート画像25(25)イシヅチザクラと天狗岳

イシヅチザクラは盛りを少し過ぎていました。例年よりも少し開花が早かったようです。

  

 


レポート画像26(26)弥山頂上

平日にもかかわらず,この後も次から次に登山者がありけっこうな人出でした。

静かな山を楽しみたいと思って昔から平日を休みにしているのですが,それも段々と意味が無くなってきているような…。

 

しばらくの間,外で写真を撮ります。明日は天気が崩れる予報なので,今は青空でもしばらくすると雲が出てくるかも知れません。撮れるうちに撮るのが鉄則です。

一通り撮影した後は小屋の中に移動します。小屋の人に挨拶をして情報交換です。

そして,シコクイチゲが株ごと盗掘されたことを知りました。その株は目立たないところにあり,且つ”絵”になる場所にありその株の存在を知ってからは毎年楽しみにしていました。登山者からはまったく目に付かない場所にあったので盗掘に遭うとは思っていませんでした。2000メートル近くの標高に咲く花が下界で花をつけるはずもないだろうに…。用心して情報を出さないようにしていたのですが,ちょっとショックなニュースでした。


レポート画像27(27)昼食タイム

いつものように小屋の食堂で味噌汁を注文し,家で作ってきたおにぎりで昼食です。

おっと,その前にビールです。(^.^)

ちょうど1ヶ月ぶりのビールなのです。

飲むつもりはなかったのですが,家内の「ビールはいいの?」という一言に抑えていたビール願望がムクムクと湧き上がってきました。しばらくハムレットの心境になった挙げ句に,抗しきれずに注文しました。

美味しかったです。「嗚呼,ビールって本当に美味しいな」と認識を新たにしました。   

 


レポート画像28(28)セイヨウタンポポ

熟年の女性登山者たちがこれを見て「きれい」と言っていました。私たちは違和感を覚えます。いろいろな山に登っているような話をしていた人たちですから,もっと知識があってもよいのではないでしょうか。

同様のことが四国カルストでもありましたが,これは外来種です。ある意味憂慮すべき深刻な問題なのです。数日前に立山でも同じ問題が起こっているのを報道で知りました。

この頂上でタンポポが繁殖するようになったのは,弥山頂上の工事の直後からです。工事関係者が持ち込んだ砂利に混ざって持ち込まれたのではないかと考えています。 

 


レポート画像29(29)コーヒータイム

小屋の外に出てコーヒーを沸かします。いつもの儀式のようなものです。

今日のコー日はとても美味しく出来上がりました。いつもと同じ条件のはずなのですが,何が違うのでしょう。

 

コーヒータイムが終わったら下山します。

  

 


レポート画像31(30)迂回路のアケボノツツジ

鉄の階段の上にいつもの年のように花を咲かせています。やはり今年は花付きがよいようです。

  

 


レポート画像31 (31)二の鎖下の分岐   

正面に見えているのは瓶ヶ森です。かなり霞んできましたが,まだ青空がもっています。

初めて石鎚山に来た登山者がこの分岐をよく確認しないで下山して逆コースに入ることがあります。過去には遭難騒ぎも起こっています。

  

 


レポート画像32(32)新緑  

いつも気になる木です。霧が発生しているとけっこう絵になります。

  

 


レポート画像33(33)新緑  

午前の光線では気がつかなかった新緑を下山時には楽しめます。

  

 


レポート画像34(34)ナツトウダイ  

奇っ怪な形状の花の代表格ではないでしょうか。過去何度も開花状態に合わせてアップの写真を撮りました。

正直なところ,ぱっと見て美しいとは思いませんが造形美は一見の価値があります。

  

 


レポート画像35(35)ホウチャクソウ  

登山道の笹の中に咲いているので写しにくいことこの上ないです。こういう時は最近好んでやっている「コンパクトデジカメによるノーモニター」撮影です。

  

 


レポート画像36(36)第2ベンチの下側のベンチ

陰になっているのでここでしばし涼風に当たることにします。天気がよい今日はそれほど暑いのです。

  

 


レポート画像37(37)シハイスミレ  

上のベンチの真向かいに咲いていました。

四国では珍しくないスミレですが,関東には自生していないのだそうです。

最近立て続けに,関東から四国のスミレを求めてやって来るとかやって来たとかの話を聞きました。

  

 


レポート画像38(38)イワセントウソウ  

地味で小さな白い花ですが,私はこの立ち姿がとても気に入っていて条件がよいと好んで写します。

今日はシハイスミレを背景に入れアクセントにしてみました。

  

 


レポート画像39(39)シハイスミレ  

 

  

 


レポート画像39(40)ツクバネソウ  

これは普通のツクバネソウですが,このコース沿いにはツクバネソウの変種で四国固有種の「ウナヅキツクバネソウ」がたくさん自生しています。

今回はまだ蕾でした。今週末ぐらいから早いのは咲き始めると思います。

興味のある人は,トップページの「山野草図鑑」に情報を置いてありますので,そちらをご覧下さい。

  

 


後書き

2009年初めての石鎚山行でした。この時季は萌黄と新緑を求めて低山から逍遥しますので,石鎚山に登るのは数年前からは毎年このコースのブナの森が新緑を迎えた頃になっています。また,低山で何度か足慣らしをしたことにもなりますから,初めての石鎚山行でも筋肉痛になることもほとんどありません。とは言いましても,標高2000m近くありますから,それなりに負荷はあります。歩き方に気をつけないと足をつりそうになることもあります。

予想したよりも新緑の進み具合が早くアケボノツツジの開花も早かったようです。この分だと次回の山行ではどこに行っても石鎚山系の新緑やアケボノツツジを楽しむにはもう遅いでしょう。自然が相手ですから自分のカレンダー通りには事は運んでくれません。一期一会の精神でその時の出会いを楽しみにしたいと思います。


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