『石鎚山…土小屋コース』山行レポート 2007年5月31日 No.1/2
―霧煙る登山道,遅い春から初夏の気配に―
前回に引き続いて今年2回目の石鎚山行。今回は予定としては成就社コースから行くつもりであったが,高山植物の開花状況の確認のために寄り道しないといけないので時間の節約の為に土小屋コースになった。成就社コースだとロープウェイを利用することになるが,始発時間が平日は午前9時と遅いからだ。
それとは別に2つの目的もあった。1つは,寒風山頂上で気がついたのだが軽登山靴の加水分解が始まっており,下山後すぐにそれを廃棄し新しい軽登山靴を購入した。その靴の履き慣らしだ。もう1つは,修理から戻ってきたばかりのデジタル一眼レフカメラの試し撮りだ。
(1)土小屋登山口
寄り道の時間確保の為にいつもよりも1時間以上も早く家を出る。
途中瓶ヶ森で朝食。自宅から約2時間で土小屋に到着。
気温5℃。風が強くて寒い。
午前6時50分出発。
あいにくの濃いガスだ。
(2)第1ベンチ
前回とほぼ同様に,登山口から30分かかっている。
いつもは山野草を撮影しながらなので,正確な時間が分からなかったが今回は途中での撮影はしていない。ここまでは「30分コース」になってしまったようだ。もう昔のようにはいかないということか。(^^ゞ
山野草の多い時期だと40分かかるのは過去に経験している。
(3)第2ベンチ
濃いガスは動く気配はない。
(4)第3ベンチ
途中撮る花もないし,今日は先を急ぐので下山時に撮れるものは見るだけ。
(5)ヤマシャクヤク
さすがに撮りたくなったので,ザックからカメラを出す。
霧の中でヤマシャクヤクを見るのは初めてかも知れない。
(6)二の鎖元
時間の感覚が分からなくなるほど暗い。
高山植物が咲いていてもこの強風と暗さでは,本当に確認するだけになってしまう。そのための2時間の寄り道は気乗りしない。軟弱な私たちは寄り道を断念。
(7)天狗岳の尾根
9時10分,弥山頂上に到着。
尾根に咲くアケボノツツジが1本,ガスの中から時折かすかに姿を表す。
巻き道沿いのアケボノツツジの様子や,このアケボノツツジの開花状況から,天狗岳最上部は今が満開のはずだ。
今年はピークが遅れたが,昔は5月末から6月3日の間だった。
(8)イシヅチザクラ
もうピークは過ぎている。おそらく先週の週末あたりがピークだったはずだ。
(9)霧に濡れるイシヅチザクラ
風が強いが辛抱強く粘れば,一瞬だが風が止まる時がある。その時を狙ってイシヅチザクラのアップを撮る。
他にすることもないので30分以上もイシヅチザクラの撮影に専念する。
天狗岳の高山植物も確認したが,まだ全然咲いていない。高山植物も今年は遅れている。この分では寄り道しなくて正解だった。
(10)霧中は続く
小屋の中で休憩させてもらう。朝早かったので眠くなる。少し仮眠。
福島さんの写真集がおいてあったので,写真展を思い出しながらしばし鑑賞。
いつものように味噌汁を注文して持参のオニギリで昼食にする。
小屋で働く女性に花の写真の撮り方を尋ねられる。時間があるのでしばしレクチャー。(^^)
小屋の人たちと雑談をしながら,ガスが晴れるのを待つがいっこうにその気配はない。12時をまわったところで,もうそろそろ下りようか,ということになった。
12時20分,下山開始。
(11)霧中のアケボノツツジ
(12)霧中の新緑
(13)ウナヅキツクバネソウ
ツクバネソウの変種で四国の固有種だ。
下向きに咲くのが最大の特徴で,その姿が頷いているよう見えるのが名前の由来。しかし,私には「うなづいている」というよりも「うなだれている」ように見える。(^^)
葉が披針形で細いのもツクバネソウとの違いだ。
初めてこの花に出会ったときは「元気がないツクバネソウだな」と思いながら通り過ぎた。しかし,道中ずっとうなだれたツクバネソウしかないので,さすがにこれはおかしいと思い帰宅するや図鑑やネットで検索した。しかし,四国の固有種を載せている図鑑が極端に少ないので,すぐには解決つかず同定に至るまでにはかなり苦労した。
(14)ヤマシャクヤク
(15)下界は「晴れ」
(16)ナツトウダイ
(17)ヤマシャクヤク
(18)コマガタケスグリ
ユキノシタ科の落葉低木。
四国では石鎚山系だけに見られるという。
(19)コマガタケスグリのアップ
以前から知っている花だが,今回初めてこの花の美しさに気が付いた。
今までは旬を過ぎた状態を見ていたようだ。
ここでもアップを狙って風が止まるのを待ちながら撮影。
(20)枝振りの良い大木