『瓶ヶ森(1896m)』 散策レポート 2007年8月1日 No.1/1

―盛夏の瓶ヶ森に集う夏の花たち―

 

台風5号がやってきています。四国は確実に影響を受ける模様です。2日木曜日は定休日なのですが山行は無理のようなので,時間のかからない瓶ヶ森に行くことにしました。花が気になりながらも久しく行っていませんでした。

早朝に目を覚まして空を見ます。それからインターネットで天気予報を確認します。少なくとも午前中は晴れマークも出ていますし大丈夫なようです。風もまだ強くはないようです。標高の高い山では台風の影響は3日前にから出ると教わったことがあります。

いつものようにいつもの道を通って瓶ヶ森の駐車場に着きます。

16.5℃でした。涼しいです。風もありますから長袖を着ないと寒いくらいです。

いつの間にか空の大部分は雲で覆われています。駐車場の辺りもガスです。ガスの切れ間から町の方は晴れているのが分かります。周囲の山の頂上部は雲に隠れています。嫌な雲も流れています。さすがに雲の流れは速いです。


(1)この実,何の実?

駐車場で身支度を整えている時に朱色の実に気が付きました。プチトマトのような大きな実です。何でしょう?20年以上この駐車場を利用していますが今まで気がつきませんでした。帰ってから調べるために証拠写真を撮っておきます。

家内が食べみようかと言うのを,「わけの分からないものは口にしない方がよい」と止めました。食べようとしたらすぐに正体が分かったでしょうに…。

だれかがヤマヤナギの枝に何個かプチトマトを突き刺したようです。

私たちのような初心な大人をからかってやろうと悪戯好きな人の仕業でしょうか。それとも子供の思い付きでしょうか。いずれにせよ,頓馬な私たちは引っかかってしまいました。(^^ゞ

  

(2)シモツケソウ

林道沿いでもあちこちでシモツケソウが見られます。まさに咲き始めたばかりのようです。

いつ見ても可憐な花です。

 

(3)シコクシモツケソウ

シモツケソウの白花タイプです。図鑑によると四国と九州に自生します。

シモツケソウよりも花期が早いのでしょうか,もう花期はほとんど終わりです。

撮り直しを予定している花の1つですが,間に合いませんでした。また1年待たねばなりません。

 

(4)コオニユリ

蕾もたくさんついていました。いつもの年よりも遅いような気がしますがどうなのでしょう。

 

(5)コウスユキソウ

奈良県と四国で自生が確認されているようです。

これの旬を過ぎていました。やはり撮り直しを予定していた花の1つです。

 

(6)イブキトラノオ

風にゆらゆら揺れているイメージがあります。瓶ヶ森の男山を登っていると出迎えてくれます。やはり,旬を過ぎていました。

霧に濡れて風情があります。下に雫が分かるようにアップの写真を用意しました。

 

 

(7)イブキトラノオ

 

(8)コナスビ

この花の実をまだ確認したことがありませんが,本当に茄子に似た実なのでしょうか。いつか確認したいものです。

 

(9)クロヅル

私はこの花は実ができ初めの時が好きです。

 

(10)ヤマシグレの実でしょうか?

霧に濡れた笹で膝上まで濡れ,膝下は絞れるほどです。後ろをついてきている家内の方を振り返ると,さほど濡れていません。どうしたことでしょう?

先を歩く私が笹や他の植物の露を落としているために後から来る者はさほど濡れずに済んだということのようです。これぞまさしく“露払い”です。(^^)

そういえば,学生の団体が後から上ってきていました。彼らに道を譲っていれば団体さんだけに立派な露払いになったことでしょう。現場では思い付きませんでした。

濡れたズボンを見て昔のことを思い出しました。早朝に撮影のために頂上まで上がる時は天気が良くても雨具の下を履いて歩き出したものです。今よりももっと登山道が狭くて,両側からの笹の露で濡れて大変だったからです。

瓶ヶ森は登山道沿いの笹を刈ってくれている時とそうでない時があります。どういう事情かは分かりませんが,今年は人出が足りなかったのでしょうか。もっとも草刈も良し悪しで大切な花が刈られることもあります。

 

(11)野ウサギ

瓶ヶ森の女山頂上に着いたら何やら飛び出してきました。野ウサギです。夜の山道では車のライトに照らし出された野ウサギの姿は見慣れていますが,昼間は初めての遭遇です。これには驚きました。

本当はガスの中で姿がぼんやりしているのですが,見やすくするためにソフトで調整しました。

 

 

(12)ウラギンヒョウモン?

今年はあまりアサギマダラに会えていません。今日は女山頂上で気流に乗って飛翔する姿を1頭だけ見ました。

小屋の近くまで下りていくとこの蝶がいました。アザミやナンゴククガイソウの辺りで遊んでいました。

たぶんウラギンヒョウモンでしょう。超な名前はいつまでたっても分かりません。

 

」 

(13)ナンゴククガイソウ

背景でボケているピンクの花はシコクフウロです。アルプスで見かけるハクサンフウロの近似種ですね。

中にはもう実になりかけているものもありましたが,まだまだたくさん咲いています。蕾もたくさんありました。

 

(14)ナンゴククガイソウ

ツルギハナウドも一緒に咲いています。

 

(15)スイカだ!

背景の山は頂上部か雲に隠れた石鎚山です。

暑くなると石鎚の頂上まで1度はスイカを担ぎ上げるのが我が家の恒例行事になっています。

今年はまだ実行できていません。そこで,せめて瓶ヶ森で「スイカを食うぞ!」を実行すべく前の日から冷蔵庫で冷やして準備をしていました。

小屋の幾島さんに半分お裾分けしようと思っていたら留守でした。台風が来るので早めに下りたのでしょうか。家内と2人で頑張ってみましたが,半分食べるのがやっとです。残りは駐車場で他の登山者に売ろうかと思いましたが,それほど暑くはないので,ラップで包んで持って帰ることにしました。(^^ゞ 夏休みで寮から帰ってきている次男が喜ぶことでしょう。

 

実に久しぶりの瓶ヶ森でした。天然のクーラー状態でしたので,午前中だけでも猛暑を忘れることができました。

今年はツマトリソウにもオオヤマレンゲの時期に瓶ヶ森に来ることができませんでしたが,6月と7月の遠征ですっかりリズムが崩れたのが最大の原因です。石鎚回帰が今年の目標だけに残念です。残りのシーズンでカバーしたいと思います。

スイカを食べて辺りを片付け家路につこうと車に乗り込むと,車の温度計は「18℃」を表示しています。まさに天然のクーラーです。下界はどのくらいまで温度は上がっているのでしょうか。本当はもっとここでゆっくりしたいのですが…。

走り出した最初こそは車窓から見える林道沿いに咲く花に目をやっていた家内もいつの間にか眠りについています。ここのところ睡眠不足が続いていたからでしょう。ハンドルを切る度に頭が左右に揺れるので,ヘルニアがある家内の首が気になります。いつもよりそっと運転しましょう。

標高を下げるにしたがい予想よりも温度が高くなっていきます。国道に出たころには車の温度計は31℃になっています。我が家の近くに着いたときにはとうとう33.5℃になってしまいました。車の中にいるとエアコンが効いていてよく分かりません。

家のすぐ近くまで帰ってくると家内が目覚めました。いつものことです。体内時計でも働いているのでしょうか。車を駐車場に止めて車の外に出ると,そこは猛暑の世界でした。暑い!!


終わり

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