私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)

トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)の高画質写真
◎撮影日:2006年 5月 4日      ◎撮影地:石鎚山系     

トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)】の図鑑情報

科+属 キンポウゲ科 シロガネソウ
花名の由来

最初は東国だけで知られていたのかもしれないが,実際の分布域を見ると紛らわしい名前だ。「サバノオ」は花後にできる実が開くとT字型になるところから,これを「鯖の尾」に見立てたもの。

レッド・データ なし
生育環境・特徴

高さ10~20cmほどの山地の湿地に生える多年草。花径は開き方で多少印象が違うが5mmから1cm弱というところか。花弁に見えるのは実は萼片で,淡黄白色。素人目には葯にしか見えない(濃)黄色のものが花弁。実に,紛らわしい。

萼の色にしろ花弁の色にしろ,個体差があるようで色の濃度が若干異なる。できる限り濃い色のものを探して写すと写真映えがする。

この仲間には,サイコクサバノオ・アズマシロガネソウ・サイインシロガネソウなどがあるが,どれも愛らしくて魅力的な花だ。しかし,同時にどれも小さいので足元に咲いていても気が付かないで素通りしてしまうかも知れない。

サイコクサバノオは必ず俯いて咲いている。しかし,本種は概ね俯き気味に咲くが,中には横を向きや上を向いて咲いていてくれるものもあるので,こちらの方が写しやすい。また,サイコクサバノオは全開しないが,本種は全開に近い咲き方をするようだ。

花 期 4~5月
識別のポイント

四国には,この仲間は本種とサイコクサバノオしか分布していないようなので,花の色姿の違いを知っていれば両種の識別に困ることはない。

分 布 情 報 本州(宮城県以南) 四国 九州
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