私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:ナベワリ(鍋破/舐め割り)

ナベワリ(鍋破/舐め割り)の高画質写真
◎撮影日:2010年 5月 13日      ◎撮影地:皿ヶ峰山系     

ナベワリ(鍋破/舐め割り)】の図鑑情報

科+属 ビャクブ科 ナベワリ
花名の由来 有毒なので花を舐めると舌が割れそうなほど刺激が強いと言われています。一方で,実を鍋に入れるとその有毒成分で鍋が破れるという警鐘の意味という説もある。
レッド・データ
生育環境・特徴

高さ20~25cmほどの多年草。本種を載せている図鑑はほとんどないが,数少ない情報をまとめると,ヤマハコベ(花冠の姿は大きさが一回り大きいミヤマハコベに似ている気がする)の花弁の無い変種とのことだ。花弁のように見えるのは萼であり,花径は1cmもない。

その色もあって周囲の緑に同化しているために,道沿いに群生していても気付かずに通り過ぎそうになる。とても地味な花であるが,間近で観察すると葯の黄色が目立ち,けなげにも精一杯自己主張しているように感じられて微笑ましい。

2005年に初めて出会った時は花弁の無いハコベの仲間があるとは知らなかったので,花弁が落ちた後かなと思っていた。花にある程度詳しい人に尋ねても分からず,同定までには時間がかかった。

■撮影のポイント:
木洩れ日の中で逆光気味に花冠部に光りが射している状態で写す機会があれば地味な花でも美しさを引き出して綺麗に撮れるだろう。

花 期 4~6月
識別のポイント

分 布 情 報 本州(中部地方以西) 四国 九州
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