私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:イシヅチザクラ(石鎚桜)

イシヅチザクラ(石鎚桜)の高画質写真
◎撮影日:2006年 5月 25日      ◎撮影地:石鎚山弥山頂上     

イシヅチザクラ(石鎚桜)】の図鑑情報

科+属 バラ科 サクラ
花名の由来

石鎚山で最初に発見されたことに基づく名前。

レッド・データ 愛媛県では「絶滅危惧2類(VU)」に指定している。
生育環境・特徴

石鎚山系から赤石山系の亜高山帯頂上付近に自生する樹高4mほどの落葉中木。大正時代に発見された新種で四国固有種。愛媛県では絶滅危惧2類に指定している。

タカネザクラとキンキマメザクラの中間的な特徴を有し,両種の自然交雑種に起源を持つ種といわれていて,その起源は氷河期にさかのぼるという説もあるようだ。

花期になると,葉が展開するよりも先に,白い花をうつむき気味に咲かせる。花弁の中心部は,咲き始めは特に淡紅色~紅色を帯びる。

下界でサクラが終わってしばらく経った頃に高所で登山者を迎えてくれるので,全体的には地味な花であるにもかかわらず多くの人に愛されている。特に,石鎚では北面の巻き道を登りきって面河が見える弥山の稜線にたどり着いた所に二の森を背景にして1本生えていて,しばし疲れを癒してくれる。

■撮影のポイント:
撮影の対象としてはフォトジェニックな花ではないので作品にしづらい。天狗岳や二の森を背景にして撮影するのがよいだろう。より花を強調できるのは二の森を背景にしたポイント。

花 期 4月下旬~5月中旬
識別のポイント

分 布 情 報 四国
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