私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:ハルトラノオ(春虎の尾)

ハルトラノオ(春虎の尾)の高画質写真
◎撮影日:2010年 4月 14日      ◎撮影地:皿ヶ峰     

ハルトラノオ(春虎の尾)】の図鑑情報

科+属 タデ科 タデ
花名の由来

花穂を“虎の尾”に見立てている。これに開花時期を表す「ハル(春)」を冠したもの。

イロハソウという別名もある。これは,「イロハ47文字の最初の」という意味を表し,林内で最初に咲く花であることを示唆しているのだろう。

レッド・データ
生育環境・特徴

山地の木陰などに自生する草丈5~15cmほどの多年草。

小さな白い花がたくさん集まった花穂は約2~3cmほどしかなく,イブキトラノオなどと比べると短めであり,「虎の尾」には見えないと思うのだが…。

花弁に見えるのは萼で5深裂している。8個ある雄しべが目立ち,葯は旬の頃は美しい赤色をしている。

■撮影のポイント:
葯の赤色が美しい個体を探すのが絶対条件。生育環境によって時間帯は異なるが朝日が当たり始めたころに逆行~半逆光になるアングルで写せる個体を見つけると,瑞々しい朝露に輝く花穂を撮影できる。ただし,花穂をアップにしないと朝露は目立たない。

花 期 4~5月
識別のポイント

分 布 情 報 本州 四国 九州
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