私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:アワコバイモ(阿波小貝母)

アワコバイモ(阿波小貝母)の高画質写真
◎撮影日:2007年 4月 8日      ◎撮影地:皿ヶ峰山系     

アワコバイモ(阿波小貝母)】の図鑑情報

科+属 ユリ科 バイモ
花名の由来

貝母は,鱗茎(地下の球根)が半分に割れて,中から新しい球根が生えてくるが,その際の外側の球根が貝の殻に見えることに由来するらしい。さらに,中国産のバイモよりも小形なので,「コ」を付けた。小貝母に地域性を表す「阿波」を冠したもの。

類種に,コシノコバイモ(新潟県産)・トサコバイモ(高知県産)・ミノコバイモ(岐阜県)・カイコバイモ(山梨県)などがある。

レッド・データ 愛媛県では「絶滅危惧2類(VU)」に,環境省は「絶滅危惧1B類(EN)」に指定している
生育環境・特徴

落葉樹林の林床や林縁に生える草丈15cmほどの多年草で,四国の固有種。愛媛県では絶滅危惧種に指定している。

背景に溶け込むような色なので地味で目立たない。普通に歩いていると気が付かないどころか,そこに咲いていると教えられてもすぐには見つけられないこともある。

葉は披針形で,花冠下には輪生する3枚の葉があり,その下には対生する2枚の葉があるのが面白い。茎先に1個の花を下向きにつける。花の形は釣鐘形で,花被片は6枚。暗紫色の網目模様があり,類種よりも濃い。葯は赤紫色~紫褐色。

花の形や色などの外見はミノコバイモによく似ているようだ。

いわゆる『スプリング・エフェメラル』の1つ。

花 期 3~4月
識別のポイント

網目状の斑紋が明確なのが特徴。下から覗き込まないと確認できないが,葯は赤紫色~紫褐色。

分 布 情 報 四国
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