(1)新しいレンズの方が強い
昔のレンズよりも最近のレンズの方がゴースト・フレアに強いと言われる。それはコーティング技術の成果だ。最近ではメガネのレンズにも使われている「マルチコーティング」がどのレンズにも施されているのが当たり前になった。もちろんそれでもゴーストやフレアは発生し得る。
最近,懐古趣味なのだろうか,昔の古いレンズをわざわざ使う人が増えているようだが,ゴーストやフレアの心配がない条件で『レンズの味』を楽しむのが現実的な使用範囲だろう。半逆光・完全逆光の条件では使い物にならないはずだ。
(2)ズームレンズよりも単焦点レンズの方が強い
ズームレンズはその複雑な設計上,構成レンズ枚数が多いのでその分ゴースト・フレアが発生しやすい。
私は中判カメラ用にズームレンズは1本も持っていない。35o銀塩カメラでは標準ズームと望遠ズームを各1本持っているが,これは主に撮影旅行やアルプス山行用だ。つまり,機材を軽くするために仕方なく使うというのが実情だ。ズームレンズ全盛の時代にあって珍しいことかも知れないが,「太陽に向かってシャッターを切る」撮影方法の私には必然なのだ。
(3)明るいレンズよりも暗いレンズの方が強い
F値の明るいレンズ,例えば,F1.4のようなレンズでは,前玉が大きくなるのでどうしても直射光が当たってゴーストが発生しやすくなる。
(4)デジタルカメラよりも銀塩カメラの方が強い
デジタルカメラのCCDなどの受光素子(イメージセンサー)が原因でレンズ本体との間で発生する「面間反射」と呼ばれる強烈な内面反射のためにゴースト・フレアが出やすいと言われいる。この現象はレンズ側でそれ相応の反射防止対策を施すことで軽減できるので,デジタル対応レンズを使用することが推奨されている理由の1つとなっている。